【クロアシネコ】世界最小のネコの生態と特徴、鑑賞できる動物園は?

みなさんは世界最小種のネコとされているクロアシネコはこの存知でしょうか。
小さいネコとして広く知られている親しみ深い『マンチカン』を知っている方は多いと思います。
クロアシネコは、そんなマンチカンよりも小さく可愛らしいネコ。
今回はそんなクロアシネコを紹介。

クロアシネコとは

クロアシネコ(Felis nigripes)は食肉目ネコ科ネコ属に分類されるネコ。
主に南アフリカ、ナミビア、ボツワナなどに生息している。
ネコ好きの方は知っている方も多い世界最小種の
ネコの一つです。

クロアシネコ座っている様子
画像:Jonathan Kriz

クロアシネコは英名(Black-footed cat)。
クロアシネコの名前の由来はその名の通り、足の裏側に黒い毛が生えている事から由来しています。

クロアシネコの特徴

世界最小種の一つになっているとても可愛らしいクロアシネコ。
一般的なイエネコとの体の違いをみていきましょう。

クロアシネコの体長と体重

世界最小種のネコと言われているクロアシネコは一体どれくらいの大きさなんでしょうか。
飼い猫として多い一般的なイエネコは種類や、個体にもよりますが、大人の猫(成猫)の平均体長は70cm〜75cm。
対してクロアシネコの成猫は大体36cm〜50cmとイエネコに比べて小さいです。
小さい個体になると子猫ぐらいの大きさしかありません。

クロアシネコを横から見る
画像:Ltshears

また、イエネコ平均体重が3.5kg〜4.5kgに対し、クロアシネコの平均体重はオスで1.9kg、メスで1.3kg。
イエネコと比べると1/3〜半分程度しかありません。
クロアシネコの平均体重はイエネコの生後3ヶ月〜5ヶ月程度の子猫と同じぐらいです。

クロアシネコの子猫は人間の手の中に収まる大きさだと言われています。

黒い足裏とヒョウの様な模様

クロアシネコは足裏に黒い毛が生えています。まさに名前の通り黒足猫です。
体は茶褐色の毛に覆われており、全体的に黒色の斑点模様が入っている為、見た目はヒョウの赤ちゃんの様に見えます。

クロアシネコの体の模様
画像:Pierre de Chabannes

冬には色が淡くなる特徴を持っていて、オスよりメスの方が斑点模様がはっきりしているの為、見た目で性別を判断できるようです。

クロアシネコの生態

世界最小のクロアシネコはその見た目の可愛いらしさに似合わない意外な生態を持っています。

キリンをも襲う野生的な性格

見た目も小さくとても可愛いクロアシネコですが、基本的に単体行動が基本で群れを作りません。また、比較的臆病で、小心者な性格なので人に懐く事もなかなかありません。

また普段昼間などはその臆病な性格からか、シロアリの塚や、とびうさぎの巣、またその他の動物達が捨てた巣の穴の中に潜んで生活しています。
分布しているアフリカは暑い地域ですので、穴に隠れて涼んでいるのかもしれませんね。
この様子からクロアシネコは現地では『アリ塚のトラ』とも呼ばれています。

クロアシネコが穴に隠れている様子
画像:Charles Barilleaux

穴に隠れて臆病な性格をしているクロアシネコですが、追い詰められ身の危険を感じた時は逃げるのではなく、果敢に敵に立ち向かう一面を持っています。
原住民の言い伝えとして、時には何十倍もの大きさを誇るキリンにも立ち向かい頸動脈を目掛けて飛びかかることがあると言い伝えられています。

クロアシネコは絶滅危惧種のネコ

出来ることなら一度飼ってみたいクロアシネコですが、現在絶滅危惧種に指定されています。
その為家などで飼育することは出来ません。
絶滅危惧種に指定されるクロアシネコは小さい体の割にエネルギーの消費が激しい為、体重の約1/6にあたる250g程度の肉を一晩で食べてしまうといわれている大食いネコ。

クロアシネコが伏せている様子
画像:Jonathan Kriz

また、生息する南アフリカなどで砂漠地帯が多いので餌となる生き物も少なく、生息地の減少が生息数の減少につながっていると考えられています。

クロアシネコを家で飼いたい、値段は?

世界最小種のネコとされているクロアシネコ。かなり野生的で飼育が難しそうなネコですが、飼ってみたい方も多いでしょう。
ですがクロアシネコは国際自然保護連合のレッドリストに登録されている絶滅危惧種に指定されているので販売、ペットとして飼育することは禁止されています。
よって値段も付けられません。

クロアシネコを見られる動物園はある?

絶滅危惧種に指定されているクロアシネコは現在日本の動物園で飼育されている所がない為、日本で目にかかれる事は残念ながらありません。

ですがアメリカではクロアシネコの繁殖が行われています。
『カンザスシティ動物園』、『フィラデルフィア動物園』、『ヘンリードーリー動物園』、『ホーグル動物園』などの施設では鑑賞することができます。

2014年にフィラデルフィア動物園、2017年にはホーグル動物園で子猫が産まれ一般公開もされています。

まとめ

クロアシネコの横顔
画像:Pierre de Chabannes

世界最小種のネコとされているクロアシネコを紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
とても小さく可愛らしい姿に心をときめかせた方も多いと思います。
一度その目で見てみたい方はアメリカの動物園へ見に行かれるとよいでしょう。