【オコジョ】可愛すぎ!日本での生息地と面白い伝説!ペットにできる?

冬毛のオコジョ

かわいい見た目で大人気のオコジョ。
アニメ『しあわせソウのオコジョさん』、『オコジョとヤマネ』など色々なアニメの主人公としても登場する動物です。

アニメに出てくるオコジョは真っ白の毛をしているものが多く、純白の毛皮を持つ小動物としても広く知られています。
今回はそんなオコジョの生態と生息地、面白い伝説とペットとして飼育できるのか?についてみていきましょう。

オコジョとは

オコジョはネコ目(食肉目)イタチ科に属する動物。
オコジョの他にも『ヤマイタチ』(山鼬)、『くだきつね』(管狐)などと呼ばれています。
目から鼻までの距離が短いので、可愛らしく丸みがある顔をしているのが特徴的。体毛がフサフサしていてぬいぐるみのようでとても可愛らしい動物です。

オコジョは日本全土にも亜種が生息しています。
よく見かける『ニホンイタチ』と同じくらいの大きさでオス16〜33cm、体重は150〜320g程で、メスはオスよりも一回り小さい。

岩の上にいるオコジョ

イタチ科に属するオコジョは『イタチ』と同じく長い胴に短い足、いわゆる胴長短足で、イメージ的にはダックスフンドみたいな体型をしています。

オコジョの後ろ足は他のイタチ科の動物と比べると長く発達しているため、高くジャンプでき岩場などをピョンピョン飛び跳ね移動します。
その後ろ足を生かした木登りや泳ぎも得意のようです。

またオコジョは年に2回毛を入れ替えます。
そのため夏と冬では毛の色が変わるという面白い特徴を持っています。

オコジョの生息地

オコジョは主にイギリスなどを含むヨーロッパ中北部、アジア中北部、北米、ニュージーランドに生息しています。

日本では北海道や東北地方、中部地方の山岳地帯、関東地方では標高1200m以上の山岳地帯に生息しています。
生息地は北部の方に偏っています。比較的寒い地域を好んで生息している印象を受けますね。

オコジョの生息地イメージ

また生息域の中でもより寒い地域に行くにつれ、生息するオコジョの個体は体が小さくなる傾向にあります。
これは哺乳類としては珍しいようで、一般的には寒い地域ほど体は大きく、暖かい地域になると小さくなるとされています。

哺乳類の様な恒温動物は、体温を一定に維持する熱量を確保するために、寒い地域ほど体を大きくする必要があるようです。
ですがオコジョはその例には該当しません。なぜ小さくなるのかは未だにわかっていないようです。

オコジョの生態

日本にも生息しているオコジョは好奇心旺盛ですが、警戒心がかなり強いようで人間の姿を見ると逃げてしまうようです。
ですが、中には警戒心が薄く好奇心旺盛なオコジョもいるようです。出会えたら近づいて来てくれるかもしれませんね。

オコジョは岩や樹根の隙間などに巣を作り生息していますが、ネズミの巣穴を乗っ取って自分の巣穴にすることもあるようです。
基本的には夜行性で日中のほとんどは巣穴の中で休息し、夜になると活発に活動します。

座っているオコジョ

オコジョは肉食(動物食)で、ネズミや両生類、モグラや魚、などを餌としています。
またオコジョは愛くるしくてかわいい顔には似合わない性格をしていて気性が荒く、時には自分の体よりも大きな野ウサギやライチョウなどを襲う事もあるとか。

獲物をくわえたオコジョ

オコジョは狩りをする際に『死のダンス』と呼ばれる独特の動きをします。
獲物の周りを飛び跳ねたり、転がったり、踊るような動きをして獲物が気を取られた隙に、獲物の首筋に向かって襲いかかり一撃で仕留めるだそう。

オコジョ狩のイメージ

夏になると繁殖活動が活発化し、1ヶ月の妊娠期間を経て4匹〜6匹の子を産みます。
オコジョには着床遅延と呼ばれる現象があり、夏に受精するのですが着床は妊娠、出産に適した暖かい季節になってからのようです。

オコジョの子は産まれてから3ヶ月程で独立、1年後に性成熟します。寿命は4年〜6年程ですが、飼育下では12年生きた記録もあるようです。

日本に生息するオコジョ

オコジョは世界で約35種類以上の亜種が存在しており、日本にもオコジョの亜種が2種生息しています。
オコジョと見た目がとても似ていてとてもかわいいです。

ホンドオコジョ

ホンドオコジョは本州の東北地方や中部地方の山岳地帯に生息しています。

成獣の大きさはオスが約18cm〜20cm、メスが約14〜17cm、体重はオスが約200g、メスが約160g程でオコジョよりも小さい。

ホンドオコジョのイメージ

ホンドオコジョは肉食(動物食)でネズミや鳥、モグラなどを餌としている。
好奇心旺盛で警戒心が強い性格と気性の荒さはオコジョと変わらないようです。

ホンドオコジョの生息している地域に野生化したミンクがいる地域もあるようです。野生化したミンクとの争いで生息数が減少しており、現在では『準絶滅危惧種』に指定されています。

長野県の志賀高原では可愛らしい姿から『山の妖精』と呼ばれており、長野県志賀高原の観光PRキャラ『おこみん』のモチーフにもなっています。

エゾオコジョ

エゾオコジョは北海道の山岳地帯に生息するオコジョ。『蝦夷鼬』(えぞいたち)とも呼ばれます。
成獣の大きさは22cm〜24cm程で『ホンドオコジョ』よりも少し大きい。

エゾオコジョのイメージ

エゾオコジョはホンドオコジョと同じ様に肉食(動物食)で、ネズミや両生類、昆虫類や魚などを餌としています。
繁殖期以外は基本単独で行動、活動時間は昼夜を問わないようです。また、一年を通して冬眠をしません。

エゾオコジョは現在『準絶滅危惧種』に指定されています。主な原因は乱獲のようです。

オコジョの毛皮と伝説

オコジョのかわいい見た目の要素となっているモフモフした毛皮とオコジョにまつわる伝説についてみていきましょう。

オコジョの毛は季節によって変わる

アニメなどに出てくるオコジョはほとんどが真っ白の毛をしています。
ですが真っ白の毛は『冬毛』。

冬毛のオコジョ

アニメのように真っ白ではなく、尻尾は茶色になっています。
冬毛は名前の通り冬が過ぎ夏になると『夏毛』に変わります。
夏毛はお腹辺り以外は茶色の毛に変わります。

夏毛のオコジョ
画像: Airwolfhound

季節によって毛の色が変わる事を『換毛』と呼びます。
オコジョは換毛をする事で毛の質、量を変え、冬の寒さや夏の暑さを快適に過ごせるようにしています。

ヨーロッパでは王族の象徴となっていた

中世ヨーロッパの時代にオコジョの毛皮は、ストールの縁取り用などに重宝されていました。
毛皮の中でも特に真っ白の冬毛が好まれていたようです。この冬毛のオコジョを『アーミン』(ermine)といい、現代でも同じ名前で呼ばれています。
このアーミンは当時のヨーロッパでは王族の象徴とされていました。

アーミンをあしらった服

現在でもアーミンは流通しています。
イギリス貴族議員の正装などにもあしらわれているようですが、現在はそのほとんどが人口毛皮のようです。

オコジョの伝説

オコジョが王族の象徴として愛されたのはオコジョの伝説がキッカケのようです。

『ある日公妃が領地を歩き回っていると、白い毛皮のオコジョを追いかけ回している男達を発見します。
男達によってオコジョは泥沼のふちにまで追い詰められてしまいます。
その時オコジョは自らの毛皮を汚して逃げるという選択をせず、男達に正面から向かっていった』という伝説があったようです。

ブルターニュの旗
画像はブルターニュの象徴とされる旗。旗の左上にアーミンが施されている。

この言い伝えからオコジョは純白の毛皮を汚されるよりも死を選ぶと信じられ、当時のブルターニュ(現フランス領土)のスローガン『汚れるよりはむしろ死』、『不名誉よりも死を』が生まれたとされています。

また、日本では群馬県や長野県などで山の神の使いとして伝えられているようです。

オコジョをペットとして飼育したい

めちゃくちゃかわいい姿で癒してくれそうなオコジョ。是非ペットとして飼育したい所ですが…
オコジョ、エゾオコジョ、ホンドオコジョは現在それぞれ準絶滅危惧種指定されているため、ペットとして飼うことは出来ません。

ですので当然のことながら販売もされていません。
野生でオコジョを見つけたとしても捕まえず見守ってあげて下さい。

また、日本の動物園で飼育下にあるオコジョもいないようなので、野生のオコジョ以外でお目にかかれることはないでしょう。

オコジョと似ている『フェレット』なら飼育可能

オコジョをどうしても飼いたい!そんな方は見た目がオコジョに似ている『フェレット』を飼育してみてはいかがでしょうか。

横たわるフェレット

一人暮らしでも飼えるペットとして人気のあるフェレットは、オコジョと同じくイタチ科の動物です。
性格は好奇心がとても強く、オコジョの気性の荒さとは違いとても懐くようで、一般的な猫よりも懐いてくれるようです。
また、オコジョと比べると体長が35cm〜50cmにまでなるとされていますので、オコジョよりも体は大きくなります。

一人暮らしのペットとしても近年人気が出ているフェレットは、懐きやすさが魅力的です。