【オジギソウ】なぜ含羞草はおじぎをする?その仕組みと花言葉について

オジギソウの花

オジギソウ(含羞草)はその名の通りお辞儀のような動作をする植物。
その植物とは思えない面白い動きで、子供達に人気がある植物です。

今回は不思議な植物『オジギソウ』の特徴と花言葉、おじぎの仕組みについてみていきましょう。

オジギソウとは

オジギソウ(含羞草)はマメ科ネムノキ亜科に属する植物。
元々の原産地は南アメリカ、ブラジルなどの亜熱帯域など。
現在は世界中で帰化していると言われていますが、オジギソウは元々は亜熱帯の植物ですので、寒さに弱く、枯れてしまうため寒い地域では自生する事が出来ません。

鉢に植えたオジギソウ

オジギソウは、江戸時代後期にオランダ船で日本に持ち込まれたと言われており、沖縄県では帰化植物として自生しています。
オジギソウは元々は多年草てすが、耐寒性がなく、枯れるため日本では一年草として扱われるのが一般的なようです。

MEMO
『帰化植物』とは、人為的に国外から持ち込まれた植物のうち、野外で勝手に自生している植物の事を指します。

オジギソウの特徴

オジギソウは横に成長し広がるため高さは控えめの15cm〜50cm程。茎には多くのトゲが生えています。

暖かくなった7月〜9月ごろに開花期を迎え、ピンク色の綺麗な花を咲かせます。
この花は葉の根元辺りから花柄が伸び、先端に直径2cm程の球体状の花をつけます。

オジギソウの花

このピンク色の花は厳密には『花』ではなく、花の集まり『花序』です。
球体状の花をよくよく見てみると、細く筒状の花が集まってる様子がわかりますね。

葉は特徴的で『偶数二回羽状複葉』と言われる生え方をしています。

オジギソウの葉

鳥の羽のような小さい葉が左右にびっしりと生えます。

オジギソウの名前の由来

オジギソウは触れると葉を閉じ、垂れ下がる様子から『お辞儀草』と名がつきました。
他にも葉を閉じる様子が恥じかしがっている様子に例えられ『羞恥草』、『含羞草』ともいいます。

また、夜になると葉を閉じ垂れ下がるため、ネムリグサ(眠り草)とも呼ばれます。

MEMO
オジギソウの別名『ミモザ』は学名Mimosa pudicaから由来していて、オジギソウ属の植物の事を意味しているのですが、現在の日本でのミモザは『アカシア類の花』の花を指す事が一般的になっています。ですが本来はオジギソウ属の事なので誤用です。

オジギソウの花言葉

オジギソウの花言葉は『敏感』『繊細な感情』『デリケートな感性』『感受性』『謙虚』です。

どの花言葉もオジギソウの葉が少し触れただけで閉じてしまう性質から由来しているとされています。
どれをとってもオジギソウにぴったりの花言葉ですね。

オジギソウのおじぎの仕組み

少し葉に触れただけで、すぐに葉を閉じるオジギソウのおじぎの運動はなんとも不思議でおもしろいですよね。

窓際のオジギソウ

このおじぎ運動に関してはどうやら水と神経が関係しているようです。
オジギソウは動物と同じ様な神経を持っていると考えられており、葉に触られた事を感じ取り電気信号として茎、葉柄の付け根の主葉沈(しゅようちん)と呼ばれる器官へと電気信号が伝わります。

主葉沈の中では水を溜め込んでいるのですが、主葉沈の細胞へ電気信号が伝わると、タンパク質の構造に変化が起こり、溜めている水が主葉沈の上部へと流れ込みます。
水が流れ込んだことにより、上部の体積が大きくなり重くなります。
オジギソウの主葉沈は他の植物と比べると柔らかく折れ曲りやすい性質を持っており、そのため重みに耐え切れず下部の根元から折れ曲り下を向きます。

この運動は小さい葉の付け根の小葉沈(しょうようちん)でも同じ事が起きるため、触れると葉を閉じてしまうのです。

▲オジギソウのおじぎの様子

触ってから葉が閉じ、おじぎするまでのほんの一瞬で、この様な事が起きているとは思いもしませんね。

オジギソウはなぜおじぎをする?

触ると葉が閉じておじぎをする仕組みは分かりましたがなぜそのような反応が起こるのでしょう…
その理由についてははっきりと分かっていませんが主に自己防衛のためだと考えられています。

・葉を閉じる事で光合成に必要な光を調整する

・太陽の光が強すぎて水が蒸発するのを防ぐために葉を閉じる

・強風や豪雨などの悪天候から身を守る

・夜は葉を閉じて水分の蒸発を防ぐ

・鳥などの外敵から身を守るため

だと言われています。

オジギソウは学習する⁈

オジギソウの葉を閉じる運動に関しての研究でオジギソウは学習をする事がわかったようです。

研究内容は葉に水滴を落とす実験で、オジギソウの葉に水滴を垂らすと当然葉を閉じるのですが、繰り返し行うと水に対しての反応がなくなったという…
このことに関して『水は有害ではない』とオジギソウが認識、学習した為だと考えられています。

オジギソウと水滴

また学習するだけではなく『記憶』もしている事が判明していて、オジギソウは数週間前のことも覚えているとか…

植物ですので当然脳はないのですが、細胞内でのカルシウムをベースとした信号により行なっているのではないかと推測されています。

オジギソウは地震予知をする?

オジギソウは別名『地震予知草』とも呼ばれています。文字通り地震を予知し、数時間前になると葉の開閉の異常が見られると言われています。

オジギソウと花

オジギソウは夜から朝にかけて葉を閉じた状態(就眠運動)で過ごすのですが、地震が起きる前(夜中)に突然葉を開いたそうです。
にわかには信じ難いですがオジギソウの葉の異常と地震の関係性は高く、地震予知の信憑性は高いと言われています。

地震予知をどの様に行なっているのかは未だわかっておらず、謎に包まれているようです。