【パクー】睾丸を狙う魚?ボールカッターの異名を持つ魚の生態と真実

緑色のパクー

アマゾン川に生息する大型の淡水魚『パクー』。
パクーを知らない方も多いと思いますが、パクーは男性の睾丸を食べる魚だといわれています。
想像すると非常に痛々しい…

パクーには残念な呼び名があり、男性の睾丸を食べることから『ボールカッター』とも呼ばれます。

今回はボールカッターという恐ろしい異名を持つ『パクー』の特徴と生態、知られざる真実について紹介します。

パクーとは

パクーはカラシン目カラシン科セルラサルムス亜科に属する魚。
セルラサルムス亜科の中でピラニアを除いた種の総称として呼ばれます。

暗い色のパクー
画像:Steven G. Johnson

パクーは熱帯、亜熱帯の南米地方原産の魚。
南アメリカのアマゾン川流域に生息する淡水魚です。

アマゾン川といえばピラニアをイメージしますね。
パクーは生物分類としてはピラニアの仲間ですが、
ピラニアと違い日本ではあまり知られていません。

成魚の大きさは全長1m近くまで成長する大きな淡水魚ですが、ピラニアほど危険な魚ではないようです。

パクーの特徴

パクーは同じ肉食魚のピラニアとは、また違った特徴を持っています。
その一部を見ていきましょう。

様々な体色

パクーはセルラサルムス亜科のピラニア以外の種の総称であるため、色々な体色をした魚がいます。

緑色の体色やお腹だけが黒いもの、銀色の体色でお腹周りだけが赤いものもいます。

お腹が赤いパクー
画像:Wisky

パクーの分類については研究途中だそうで、これから細分化される可能性があります。

ピラニアの仲間とは思えない大きさ

肉食な魚として広く知られているピラニアは成長しても15cm〜60cm程の大きさにしかなりません。
対するパクーはピラニアの仲間ですが、体は大きく、成魚まで成長すると、最大で1.08mまで成長します。

1mもの大きさのピラニアの仲間と考えると恐ろしいですね。

人間みたいな歯

パクーの見た目の中で最も特徴的な部分はパクーの『歯』です。

特徴的な歯は肉食魚の尖った形状とは違い、人間の様な四角い歯が並びます。
パクーの歯が四角いのは、パクーが肉だけではなく植物なども食べる雑食性だからだといわれています。

パクーの人間みたいな歯
画像:Nisamanee wanmoon

どう見ても人間の歯にしか見えませんね。
それにしても魚の癖に歯並び良すぎやしませんかね…

パクーの生態

睾丸を食べ『ボールカッター』とも呼ばれるパクーの意外な生態を見ていきましょう。

パクーの生息地

パクーは南アメリカ原産だというのは紹介しましたが、現在では人の手によってその生息地を広げている様です。

パクーの生息地のイメージ

パクーは食用としても用いられるため、食料源として持ち帰り、養殖されています。
また、ゲームフィッシュとしても用いられるため、現在はアメリカの他にもスウェーデンなどのヨーロッパ、タイやインドなどのアジアでもその姿が確認されています。

パクーの食生

ピラニアの仲間とされているパクーは、ピラニアと違い肉以外も食べる雑食です。

もちろん肉も食べますが、植物類の方が好きなベジタリアンな魚なんだそう。
野生下では、水の中に落ちた殻のある木の実や甲虫を食べます。

パクーが食べる木の実のイメージ

硬い木の実を難なく食べられる秘密は、人間の様な四角い歯と強靭な顎です。
これを巧みに使い硬い木の実など、なんでもすり潰して食べるようです。

この食性から『ベジタリアン・ピラニア』の名でペットして販売されています。

パクーは睾丸を食べる魚?

パクーをネットで検索すると検索結果に出てくるのは『睾丸を狙う魚』『ボールカッター』など男性なら考えるだけでゾッとする記事が多数出てきます。

この由来となった事件は、衣服を着ずに川に入る習慣があるパプアニューギニアで起こりました。
2011年12月、裸になって川に入った漁師が、パクーに睾丸を噛みちぎられて大量出血後に死亡したという事故から由来しています。

緑色のパクーOmnitarian

硬い木の実を食べるパクーですから、睾丸を木の実と間違えたのではないかといわれています。

またこの出来事から、川に入る時は『パンツを履くように』と注意が促されるようになったそうです。

ボールカッターはデマ?真実は…

睾丸を狙う魚として知られるパクーですが、専門家の間では睾丸噛みちぎった事件はデマではないかといわれています。
この出来事は、硬い木の実をも噛み砕く、パクーの危険性から来た都市伝説が間違って広がったんだとか…

2013年にデンマークでパクーが発見された際に、地元の海外メディアが誤って報道して拡散されたとされています。

持ち上げられたパクー
画像:Thorke Østergaard,

専門家によると、今までに人間を襲った報告はないとのこと。ですが、人間の指くらいなら簡単に噛みちぎってしまう為注意が必要です。

外来種として

養殖業者や飼育者、ペットとして飼われていたパクーが川に放流されたり…
主に人の手によって生息地は広がり、現在では南アメリカには留まらず、パクーは世界各地に生息地を広げています。

2013年にはスウェーデンとデンマークの間にある海峡でパクーが発見されました。
淡水魚で温かい水温で暮らすパクーが、冷たい海水
で見つかった事で大きな波紋を呼んでいます。

小型の魚や、植物類を食べる雑食なパクーが外来種として入ってきてしまうと、在来種とその環境に大きなダメージを与える事は想像に容易いですね。

近年TVでも取り上げられている『アリゲーターガー 』なんかも外来種としてやってきて、生態系を壊してしまう魚です。

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