世界には不思議な形や、生態をもつ植物が多数存在している。
常識では考えられない特徴を持つものや、他の植物に寄生する者もいれば、コロコロ転がりながら繁殖する者もいる。
今回は、日本・世界に存在する不思議な形状、生態を持つ植物を画像と共に紹介していきます。
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世界の不思議な植物
ウェルウィッチア
ウェルウィッチアはアフリカのアンゴラ、ナミビアのナミブ砂漠に自生する植物。
生息地である砂漠では雨が長期にわたって降らないことはザラだが、この植物は半年もの間、雨が降らなくても平気だと言われています。
CC BY-SA 4.0/Hans Hillewaert
画像では葉がたくさん生えている様に見えますが、生涯でたった2枚の葉しか生えず、枯れるまでひたすら成長し続けます。
成長した葉の先端分裂し、上記の画像の様になります。
CC BY-SA 3.0/Thomas Schoch
ちなみにウェルウィッチアの最大個体は高さ1.4m、直径4m。
めちゃくちゃデカい!の一言に尽きますが、それもそのはずウェルウィッチアの寿命は1000年以上、また2000年以上を生きた個体も存在すると言われています。
ウェルウィッチアの和名は『キソウテンガイ』。
まさに奇想天外な植物です。
タンブルウィード
西部劇の決闘シーンで、必ずと言っていい程転がっている植物『タンブルウィード』。
英名はtumble(転がる)weed(植物)。その名の通り転がる植物の総称としてその名がついた様です。
CC BY 2.0/ImperfectTommy / Edmond Meinfelder
では、タンブルウィードは何故転がるのでしょう…
それは種子を撒いて繁殖をする為。
タンブルウィードは、最初は土に根を張って生えていますが、秋頃になると茎の根が折れ、転がります。
回転して種子をそこら中に撒き散らし、生息範囲を広げる不思議な植物です。
リトープス
リトープスはサボテンなどが有名な、多肉植物と呼ばれる植物の一種
形こそサボテンのイメージとはかけ離れた形をしていますが、乾燥した地域に自生するサボテンの仲間です。
見た目から『イシコロギク(石塊菊』『メセン(女仙)』『象の鼻』『豚の鼻』などと呼ばれます。
不思議な見た目の多肉植物ですが、綺麗な花を咲かせる、園芸などで人気の植物です。
リュウケツジュ
リュウケツジュはカナリア諸島、ソコトラ島に自生する常緑高木。
非常に大きな木で、大きいものになると高さ20mまで成長するといいます。
CC BY-SA 4.0/Boris Khvostichenko
この植物の最大の不思議は樹液。
樹液とは表面に傷を付けると出でくる液ですが、リュウケツジュから出でくる樹液は血の様に赤い…
ちなみに『竜血樹』の由来は属名『Dracaena(ドラセナ)』が、ギリシア語の『ドラカイナ(雌の竜)』を語源としている為、その名がついたのだそうです。
ロホホラ
ロホホラはアメリカ南西部からメキシコ北部にかけて自生するサボテン。
肉質は柔らかく、形は球型のサボテンと変わりありませんが、このサボテンはトゲが無い。
トゲがない代わりに綿毛がたくさん生えています。
サボテンの特徴がないサボテンですね。
また、ロホホラの持つ成分には幻覚作用を持つものがあり、古くからインディアンが痛み止めなどに使ったと言われています。
バオバブ
バオバブはサバンナ地帯に自生するアオイ科バオバブ属の木の総称です。
幹が徳利の様な不思議な形をしているバオバブはとても大きい木で、最大のもので高さ47m直径15mまで成長するとか…
CC BY-SA 3.0/Bernard Gagnon
大きな幹には10トンもの水を蓄えています。
伊達に徳利の形はしていませんね。
寿命は大変長く、最高で6000年の樹齢を持つ種も報告されています。
一方で近年バオバブの大量枯死が起きているため、種の絶滅も危ぶまれている様です。
ラフレシア
ラフレシアは東南アジアとマレーシア半島に分布する花。
『世界最大の花』として広く知られるこの花は直径90cmにまで成長します。
CC BY 2.0/Steve Cornish
ラフレシアは根、葉、茎を持ちません。
通常の花の様に根を張って成長するのではなく、フドウ科の植物に寄生し、花だけを咲かせます。
その不思議な見た目から人食い花ではないかと恐れられた事も。
CC BY-SA 4.0/Benny Weyara Diendasaputra
花を咲かすのは2年に一度、しかも3日しか咲かないので、開花している姿を目にすることはかなり難しい。
ちなみに開花すると凄い匂いが辺りに充満します。
その臭いは汲み取り便所とも例えられます。
ウォーキングパーム
ウォーキングパームは南アメリカの熱帯雨林に自生する木。
名前の通り歩くと言われている木です。
幹から地面に向かって複数の枝が生えます。
本体は太陽の当たる方へ向かうので斜めなり、それを支える為に新しく枝が生えて幹を支えます。
また、日が当たらなくなった腐って消えます。
枝が生えては腐って消えてを繰り返し、まるで太陽に向かって歩く植物です。
レインボーユーカリ
レインボーユーカリはニューギニア島、セラム島、ミンダナオ島などに自生するユーカリ属の植物。
また紙の原料として世界中で栽培されています。
レインボーユーカリの最大の特徴はカラフルな樹皮。
赤、青、オレンジ、緑など様々な色が現れます。
色の違いは外側の樹皮の剥がれた時期によって変わるとか。
CC BY-SA 4.0/LukaszBel
何も知らずに栽培してたら、『家の木にペンキを塗られた!』なんて勘違いしてしまいそうですね。
日本で見られる不思議な植物
オオオニバス
オオオニバスはアマゾン川原産の水仙植物。
直径3m以上になる葉を持ち、水面に浮かんでいる姿が印象的。
人が乗れる事で有名な葉で、時期になると動植物園などで、展示されたりもします。
また、花はとても綺麗で白とピンクの花が咲きます。
日本では静岡県の熱川バナナワニ園では、30kg以下の子供限定で、葉の上に乗って写真を撮れるイベントなどをやっています。
【オオオニバス】人が乗れる葉?!浮力の仕組みは葉の裏側にあったネナシカズラ
ネナシカズラはネナシカズラ属の植物の総称。
ほとんどの種が自生する事なく、他の植物に寄生して生息しています。
CC-BY-SA-3.0Bogdan
寄生先となる植物に、寄生根を刺すことで寄生します。
また寄生の範囲は広く、周りの植物にまで寄生する為、作物などの被害も出ます。
CC BY-SA 3.0Aomorikuma
ネナシカズラの種類は170種類にも及ぶと言われており、黄色・橙色・赤色などになる種もいるとか。
世界中の温帯・熱帯地域に分布し、日本でも見ることの出来る植物です。
オジギソウ
別名『ネムリグサ』『ミモザ』と呼ばれるマメ科の植物。
名前の通り『お辞儀』の様な動作をする植物です。
お辞儀をするのは水分の放出を防いだり、外敵から身を守る為だといわれています。
日本では江戸時代にオランダから持ち込まれ、沖縄では帰化植物として繁殖しています。
【オジギソウ】なぜ含羞草はおじぎをする?その仕組みと花言葉についてホウキギ
ホウキギはアジア原産の植物。
名前の通り箒の様な見た目が特徴的。
CC BY-SA 3.0/swirliehead
秋には紅葉となり、全体が綺麗に赤く染まります。
CC BY-SA 4.0/Misahaqn2
秋田県ではホウキギの実を郷土料理『とんぶり』の材料として使っていたそうです。
サンカヨウ
サンカヨウは北海道〜本州北部の山に自生する多年草。
白く可愛らしい花を咲かせます。
この綺麗な花びらは、朝露などで透明になる不思議な特性を持っています。
その見た目はガラス細工の様だと例えられるほど。
透明になる神秘的な花びらは、未だに謎が多く、透明になる仕組みさえも解明されていない。
【サンカヨウ】 透明になる花⁈素敵な花言葉と透ける花びらの謎まとめ
いかがでしたでしょうか。
血を流す木や透明になる花など、常識を覆す不思議を持った植物がたくさん存在していましたね。
ですが、今回紹介したのは不思議な植物のほんの一部に過ぎません。
まだ世界にはまだまだ不思議な植物が溢れています。
そう考えるとワクワクしますね。