人が乗る事の出来る葉として知られているオオオニバス。
名前を知らない人でも葉を見ると見た事がある人も多いのではないでしょうか。
そんなオオオニバスの花言葉は『神秘的』。
子供が乗っても沈まずにいる神秘的な葉、『オオオニバス』の葉の裏側にある浮力の仕組みなどを紹介します。
オオオニバスとは
和名:オオオニバス(学名:Victoria amazonica)はスイレン科オオオニバスに属する水生植物。
主にアマゾン流域やパラグアイなどで自生している一年草です。
オオオニバスは1832年に発見され、イギリスのヴィクトリア朝の園芸家達によって栽培されました。
1849年には開花に成功しています。
属名のvictoriaは当時の女王の『ビクトリア』にちなんで命名されたと言われています。
また、和名のオオオニバス(大鬼蓮)は日本でも自生しているオニバスよりも大きい事から由来しています。
オオオニバスの花は色が変わる⁈
オオオニバスは約20〜40cm程の花を咲かせます。
この花は2日に渡り花を開きます。
花は夕方頃から白色の花弁を開らき、芳香を出します。
夜になると香りに釣られてたくさんのコガネムシなどの甲虫が花に集まってきます。
画像:Bilby
翌朝になると集まってきた甲虫を花弁を閉じて花の中に閉じ込めます。
閉じ込めている間に雄しべが開き、送粉者が花の中で動き回っている内に花粉が送粉者へ付着します。
またその翌朝になると花弁は開き、送粉者は別の花へ移り受粉します。
この時オオオニバスの花は白色からピンク色へ変化し、芳香も弱まります。
芳香が弱まるのは自家受粉を防ぐためだと考えられています。
オオオニバスの裏側に浮力の秘密があった
オオオニバスの葉は円形で全長約2〜3m、葉の縁が10cm〜15cm程反り返っており、まるでお盆の様な形をしています。
大人は乗る事は出来ませんが、小さい子供ならオオオニバスに乗る事が可能です。
オオオニバスの浮力の仕組みとは
重さ約20kgまでなら乗る事が出来ると言われているオオオニバス。
浮力の仕組みは葉の裏側にありました。
オオオニバスの葉の裏には網目状に太い葉脈が広がっています。
葉の裏側に広がっている葉脈は少し高さがあるので、間に空気が溜まり、葉を浮かせています。
画像:Suguri F
また葉脈の中はストローの様に穴が開いていて、酸素を根へ供給する役割を持っています。
葉脈の中に酸素がある事で浮き袋の様な役割も果たしている様です。
葉脈が網目状になっている事で葉の重みを分散させていると言われています。
またオオオニバスに乗る際はボードなどを敷き、重みを集中させず分散させています。
オオオニバスは雨が降っても沈まないの?
お盆のような形をしたオオオニバスは、雨が降るとその重みに耐えきれず沈みそうですよね。
ですがオオオニバスの葉の縁の反り返っている部分には切れ込みが入っていて、その部分から排水する仕組みになっているので沈まないようです。
まとめ
少し気持ちが悪い葉の裏側ですが、オオオニバスの浮力の源となっていたようですね。
また、浮力の元となっているオオオニバスの葉脈、葉脈構造は建築物などにも用いられているそうです。
動植物園などでオオオニバスに乗れるイベントがあるようですが、オオオニバスの葉の寿命は1ヶ月〜2ヶ月程ですので期間限定で開催している所が多いようです。