【ピパピパ(コモリガエル)】背中から生まれる?衝撃的な交尾と産卵!

平たいピパピパ

ネットで検索すると『閲覧注意』なんて言葉で注意を促されているピパピパの背中の画像。
衝撃的な背中を持つピパピパは、普段私たちが見るカエルとは見た目も生態も大きく違うようだ。

今回はそんなピパピパの特徴や生態、交尾や産卵を閲覧注意な画像と共に見ていきましょう。

ピパピパ(コモリガエル)とは

ピパピパとは両生綱・無尾目・ピパ科に分類されるヒキガエルの一種。

茶色のピパピパCC BY-SA 2.5/Hugo Claessen

名前の『ピパピパ』は標準和名ではなく『コモリガエル』が正式名称です。
ピパピパは学名『pipa pipa』をそのまま読んだもの。ペットとして流通する時や専門誌などで紹介されたりする時に使われる呼び名です。

他には『ヒラタピパ』『ヒラタコモリガエル』などとも呼ばれています。

ピパピパの特徴

ピパピパの体長は10cm〜大きい個体では20cmにもなります。
体色は灰色や茶色などの褐色で斑ら模様になっていて、所々にイボの様な突起があります。

また舌を持っておらず、前脚は水掻きがない代わりに指の先端に星型の突起があるのが特徴的です。

最大の特徴は平べったい体

ピパピパの最大の特徴はカエルの常識を覆すほどに衝撃的な体型です。
私達の知るアマガエルなどのカエルとは違い、体がとても平べったくなっています。
一般的なアマガエルの体型と比べるとその違いがはっきりとわかります。

画像で比較して見ると…

アマガエル

アマガエルは顔が立体的ではっきりしていて、目もクリクリして可愛らしいです。
腹部にかけても大きくなっていてよく見かけるカエルですね。

それに対してピパピパは…

平たいピパピパCC BY-SA 3.0/Stan Shebs

『車にでも轢かれたのか?!』と思うほどに体全体が凹凸が無く、平べったくなっています。
そのため、顔の場所がはっきりわかりませんし、目の位置もわかりません。

別名『ヒラタピパ』『ヒラタコモリガエル』はピパピパの体型が平たい事から呼ばれています。

ピパピパの生態

ぺったんこなカエル、ピパピパは普段どこでどのように過ごしているのかを見ていきましょう。

ピパピパの生息地

アマゾン川流域を中心に南アメリカ北部の熱帯域のに分布しており、川や池、沼に生息しています。

ピパピパの生息地

あまり活発に行動せず水の中でじっとしています。
そのため息継ぎ以外で水面から顔を出すことはなく、陸上にはほとんど出ずに一生を水の中で過ごします。

水中での過ごし方はかなり独特で、前脚を上に向け『バンザイ』の様な体制で過ごします。

ピパピパのバンザイCC-BY-SA-3.0/Christophe cagé

褐色の体色を持つピパピパはバンザイをする事で枯葉や石、岩などに擬態し捕食者や天敵の目を欺いています。

ピパピパの食生と捕食

ピパピパが食べるのはアマガエルなどの餌と同じ小型の昆虫や甲虫類、他に小型の魚なども食べます。ピパピパはかなりの雑食で色んなものを食べている様です。

ピパピパの食生

ピパピパが餌探す時は前脚の指の先端についている星型の突起で獲物を探します。
この星型の突起は触角の様な役割を持っており、前脚を使って水中や水底の獲物を探し、小魚や昆虫が星型の突起に触れると、大きな口を開いて前脚を器用に使い捕食します。

また前脚は水掻きが付いていないので指は細く、器用に使う事ができるため、前脚を巧みに使い障害物をかき分けて移動するようです。

縄張り意識が強い

ピパピパは縄張りを持って生息していることが明らかになっており、縄張りの中に他のオスが侵入して来ることを極端に嫌います。
そのため、オスはお互いに鳴き声を出し近づき過ぎないようにしておとなしく生活しています。

コモリガエルのイメージ

ですが時には縄張り争いが起きる事もあり、その際オスは『カチッカチッ』と音を出しながら争います。
ピパピパの縄張り争いの様子は、普段の大人しい印象とは打って変わって噛み付いたり、体当たりや頭突きをしたりと、かなり激しく争います。

水族館ではこの様を見る事もあるようです。

ピパピパの交尾と産卵(閲覧注意)

ここからは『閲覧注意』なピパピパの交尾と産卵について解説していきます…
画像は大変気持ち悪い見た目になっているため、覚悟してみて下さい…

交尾の後はメスの背中に卵を埋める

繁殖期になるとオスは『カチカチ』と音を出しメスを呼び寄せます。メスもその時期になると背中が柔らかく膨れ、交尾に備えた体へなっていきます。

出会ったピパピパのオスとメスは、水中で抱き合う様にくっついて、円を描く形で泳ぎます。
泳いでいる途中で何度も宙返りをしていると、メスはオスのお腹に卵を産み落とします。
オスは卵に精子を注入し受精させた後、メスの背中に卵を押し付け埋め込んでしまいます。

ピパピパの背中CC BY-SA 3.0/Dein Freund der Baum

グルグル回りながら何度も卵を埋め込み、最終的には100個もの卵を産み付けると言われています。

産卵から孵るまで背中で過ごす

交尾の後にメスの背中に埋めこまれた卵はそのままお母さんカエルの背中の上で成長していきます。
卵が孵るまでの期間は12週〜20週、メスはこの間ずっと卵を背負いひとりで世話をします。

常識的には、カエルの子供といえば『オタマジャクシ』ですが、ピパピパの子供が卵から孵る時は、既にオタマジャクシの期間は通り越し『小さなカエル』の状態で出て来ます。

ピパピパの子供が出る様子CC BY 3.0/Alisha

ピパピパの子供CC BY 3.0/Endeneon

また生まれてから一ヶ月もすると一人前になり、泳いだり餌を取ったりする事が出来るようになります。

ピパピパまとめ

グロすぎる衝撃的な産卵をするカエル『ピパピパ』。
平らな体が特に特徴的で実に面白い生態をもっていましたね。

ちなみに和名の『コモリガエル』はピパピパの特異な繁殖行動から名が付いたと言われています。
背中に卵を埋め込んで育てるカエルなんてそうそういませんもんね。
また、ピパピパの他にも同じピパ属も同じ様に背中で子守をしますが、卵から出て来る時はピパピパと
違いオタマジャクシのまま出る種もあるようです。