突然ですが、キリンの様な細く長い首を持った珍獣『ジェレヌク』をご存知ですか?
ジェレヌクは体に対して首が細長く、ちんちくりな体型が可愛いと人気のある動物です。
今回はそんな珍獣ジェレヌクの生態や特徴、キリンの様な首の意味と日本の動物園にいるのかを紹介していきます。
ジェレヌクとは
ジェレヌクとはウシ科ジェレヌク属の偶蹄類。
『ガゼル』などが属する、ブラックバック亜科から派生しています。
その為か、見た目もガゼルやブラックバックなどに似ています。
CC BY-SA 3.0 us/Ben Lunsford
ジェレヌクはいわゆる『珍獣』と呼ばれる動物。
その変わった姿が珍しいとされ、珍獣と呼ばれているらしい…
ジェレヌクは『キリンレイヨウ』『キリンカモシカ』『ジラフアンテロープ』『ゲレヌク』など、たくさんの別名を持っています。
別名には『キリン』の名が付いているものが多い印象ですね。
ジェレヌクの長い首を、キリンの首に見立てて付けたのでしょう。
また『ゲレヌク』はソマリア語で『キリンの首』という意味があるそうで、やっぱりキリンと関連しています。
ジェレヌクの生息地と種類
ジェレヌクはソマリア東部、エチオピア南東部の砂漠やサバンナを好み生息しています。
CC BY-SA 4.0/Darekk2 using the IUCN Red List spatial data
またジェレヌクは亜種が2種類確認されていて、それぞれ生息地が違います。
- キタジェレヌク
- ミナミジェレヌク
ソマリア北西部から西側、エチオピアの国境とジブチに生息。
鼻骨長4.9cm〜5.4cm。
タンザニア北東部からケニア、ソマリア北部に生息。
鼻骨長7.4cm。
2つの亜種は生息地が違う他に、鼻の骨の長さに違いがあるようです。
ですが、体の色や形もほとんど似ているため見分けがつきづらいのだとか。
ジェレヌクの特徴
珍獣ジェレヌクは体長140〜160cm、体重30〜52kg。
鹿などを連想させる様な淡い茶色の体色をしていますが、背中の部分は赤みが強く出ていて、お腹の部分は白くなっています。
また耳は横に大きく広がっていて、目の周りや鼻から口にかけて白くなっています。
CC BY 2.0/Rennett Stowe
可愛らしい顔にスラットした細い足に目が行きますが、ジェレヌクの最大の特徴はやはり長く伸びた首。
足の長さとほとんど変わらない細く長い首は、やはり『キリン』をイメージさせます。
胴体は大きいのでに、細長い首に小さい頭でなんだか頭デッカチな感じで、可愛いですね。
CC BY 1.0/By Aaron Logan
ジェレヌクのオスはツノが生えますが、メスは生えません。
Sの形をしたツノが上に向かって25〜45cm程まで生えます。
ジェレヌクの生態
ジェレヌクは大きな群れを作る事はなく、オスとメスのペアや、オス一頭に対してメス2〜5頭で生活します。
基本的には日中の内に餌を取ったりなどの活動を行います。
ジェレヌクは草食動物らしく争いを好まず、行動範囲をあまり広げる事なく、ほとんど同じ場所で生息するようです。
CC BY 3.0/Abujoy
草食動物であるジェレヌクは、木の葉や芽、枝や花、果実を食べます。
またウシ科なのに雑草などの草は食べないんだとか。
CC BY 3.0/Abujoy
雑草を食べない食生は、実はキリンも同じです。
ジェレヌクはウシ科の動物ではなく、キリンの仲間なのかな?なんて思えちゃいますね。
ジェレヌクの首が長いのはなぜ?
珍獣ジェレヌクの特徴的な首は、何故この様な成長を遂げたのか…
それはジェレヌクの食生にあります。
CC BY-SA 2.0/Steve Garvie
ジェレヌクはキリンの様に地面の雑草は食べず、木の葉などを食べ、水分補給も木から摂取します。
首が長い事で、より高い木の葉を食べる事が出来、なおかつ周囲を見渡せるので、敵を見つけるのも早くなります。
CC BY-SA 2.0/frederic.salein
キリンほどは大きくないものの、後ろ足で立ち上がると約2mの高さの木にも届きます。
見た目が珍しいジェレヌクの細長い首は、自然を生きるための進化だった様ですね。
ジェレヌクは日本の動物園にいる?
残念ながら現在、日本でジェレヌクを飼育している動物園はありません。
日本では見る事ができませんが、タンザニアの『タランギレ国立公園』又はアメリカの『サンディエゴ動物園』では飼育されていますので、その姿を見る事ができます。