梅雨の時期になると大合唱で存在感を発揮するカエル。
カエルは童謡のカエルの歌や、かわいいキャラクターにも用いられているので、日本でもとても馴染みのある生き物ですね。
カエルの生息域は日本のみならず、世界中に生息しています。
その中にはかわいいカエルや、猛毒を持つカエル、驚くような見た目をしたカエルも存在してます。
今回はほんの一部ですが、かわいい・カラフル・食用・猛毒カエルなどをまとめて紹介していきます。
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かわいいカエル
カエルは昔から物語のモチーフや、可愛らしいキャラクターなどにも用いられています。
カエルが苦手な人でもちょっとかわいいかも?と思えるようなカエルたちを紹介していきます。
ニホンアマガエル
日本のカエルと言えば真っ先に思い浮かぶのはアマガエルですね。
私たちがよく目にするアマガエルの正式名称は『ニホンアマガエル』です。
日本全国に分布していて、都市部などでも生息する馴染みの深いカエルです。
鳴き声は『クワックワッ』と表現され、特に梅雨の時期になると聞こえてくる鳴き声ですね。
ちなみに鳴くのはオスだけなんだとか。
体長2〜4cm程でカエルとしては小さめ。
人懐っこい性格とパッチリとした目を持っているかわいいカエルです。
イエアメガエル
イエアメガエルは、インドネシアやオーストラリアなどに生息するカエル。
体長7〜12cm程で、体が太くボテッとした見た目が印象的なカエルです。
主に草原や森林などに生息し、木登りが得意で木の上で過ごしている事も多いとか。
また、イエアメガエルは体が大きいだけでは無く、鳴き声も大きい。
繁殖期のオスの鳴き声(求愛音)は数百m以上離れた所でも聞こえる事があると言われています。
別名『ホワイトアマガエル』と呼ばれますが、体色が白に変わったりすることはありません。
命名者の『ジョン・ホワイト』にちなんで付けられたのだそうです。
ソバージュネコメガエル
アルゼンチン北部やブラジルに分布するカエル。
グラチャコと呼ばれる乾燥した半砂漠の暑い地域に生息します。
ソバージュネコメガエルは夜行性で昼間はほとんどを樹の上で過ごします。
暑いところに棲んでいるため、水分が蒸発しない様に皮膚から水を弾く油脂を分泌します。
英名『Waxy』は全身にまとった油脂に由来しています。
アカメアマガエル
アカメアメガエルはメキシコやコスタリカなどに生息する赤い目が特徴的なカエルです。
夜行性で熱帯雨林の葉の上などにうつ伏せで休んで昼間を過ごします。
このカエルの目が赤いのは夜間に捕食者に見つかった時に、派手な色を持つことで相手を威嚇し、容易に捕食されないためだと言われています。
ちなみにアカメアマガエルの種小名『callidryas』は『美しい木の妖精』という意味を表します。
このカエルが美しいかどうかは賛否が分かれそうですが…
シュレーゲルアオガエル
本州、四国、九州に分布する日本の固有種であるシュレーゲルアオガエル。
見た目はニホンアマガエルとかなり似ていて可愛いカエルです!
ニホンアマガエルよりも体は一回り大きく、顔に模様が入らないので区別できます。
シュレーゲルアオガエルは栃木県、千葉県、兵庫県では準絶滅危惧種に指定されます。
『シュレーゲル』の名前の由来はオランダのライデン王立自然史博物館館長だった『ヘルマン・シュレーゲル』に由来していると言われています。
アマガエルモドキ
半透明のライムグリーンの体色を持つとても不思議で可愛いカエル。
皆さんご存知『セサミストリート』のキャラクター『歌好きカエルのカーミット』に大変似ていると話題になったカエルです。
アマガエルもどきは、別名『グラスフロッグ』と呼ばれます。
その名の通り体は半透明になっていて、体を下から覗くと内蔵が透けて見えます。
アマガエルモドキは、中南米を中心に約150もの種類が確認されています。
内蔵が丸見えなのは少しグロいですね…
ガラスのような体は美しく、見た目はとても可愛らしい不思議な体を持った特徴的なカエルです。
猛毒を持つカエル
カエルはすべての種類が体の表面に毒を持っており、ニホンアマガエルなどの身近なカエルも例外ではありません。
アマガエルなどの持つ毒性はそれほど強くはないのですが、世界には信じられない程の猛毒を持つカエルも存在しています。
モウドクフキヤガエル
モウドクフキヤガエルはフキヤガエル属の最大種とされるカエル。
コロンビアに生息している、コロンビアの固有種です。
モウドクフキヤガエルの体色は黄色や、緑に白が混じったミント色などをしています。
CC-BY-SA-2.0-DE/Wilfried Berns
一般的に警告色と呼ばれる体色を持つモウドクフキヤガエルは、やはり猛毒を持っています。
なんでもモウドクフキヤガエル一匹が持つ、僅か1mgの毒で大きなゾウ2頭、人間ならなんと20人を殺すほどの毒があるとか…
CC-BY-SA-3.0/Ltshears
『モウドクフキヤガエル』という変わった名前は、その昔このカエルの毒を抽出し、吹き矢の先に塗って狩猟などに使っていたことから由来します。
コバルトヤドクガエル
世界で最も美しいと言われているカエルのひとつ。
世界でも生息域が限られていて、南アメリカのスリナムにしか生息していません。
名前の通り綺麗なコバルトブルーを基調として、頭部から背中にかけてマダラに黒色の斑点があります。
こんな綺麗な見た目をしていますが、やはり毒を持っています。
毒の成分はモウドクフキヤガエルと同じ神経毒。
ごく僅かな量で死ぬ可能性がある毒です。
コバルトヤドクガエルはその美しい見た目から『青い宝石』などとも呼ばれるようです。
ジュウジメドクアマガエル
このカエルはかなり大きく6cm〜10cmほどの体長を持ちます。
エクアドル、スリナム、フランスなどに生息します。
現地では『アマゾンミルクガエル』(Amazon milk frog)とも呼ばれます。
これは、ジュウジメドクアマガエルが危険を感じた時に皮膚から分泌する、乳白色の毒液に由来します。
CC BY-SA 3.0/D. Gordon E. Robertson
名前の通り目に十字の斑紋が入っているのが特徴的ですね。
またこのカエルはその特異な見た目からG-SHOCKのデザインのモチーフにもなったと言われています。
イチゴヤドクガエル
イチゴヤドクガエルはその名前の通り、イチゴの様な鮮やかな赤色の体色を持つカエルです。
このカエルはかなり小型で体長は約2〜3cm程と小さく、ヤドクガエル科の中ではかなり小さい種類です。
主にコスタリカやパナマ、ニカラグアに生息します。
美しい見た目と可愛らしい大きさからペットとして人気があるようですが、飼育が難しいとか…
このカエルもやはり強い毒を持っている為、間違っても素手では触ってはいけません。
ペットとして人気のカエル
近年ではトカゲやヘビなどの爬虫類もペットとして人気が出てきています。
そんな爬虫類の中でもカエルは世界中に生息し様々な容姿、カラフルな体色をしている種類も多く存在しています。
また今まででは困難だった流通も容易になったため人気が出ています。
ペットとしておすすめのカエルを紹介します。
トノサマガエル
北海道を除く日本全国でその姿を見る事が出来るトノサマガエル。
体長6〜9cmと、日本に生きるカエルの中ではかなり大きい方です。
環境適応能力が高い為、ペットとして飼うのは難しくはないようです。
ですが縄張り意識が強い為、複数のトノサマガエルを一緒に飼うと共食いをする可能性があります。
ちなみにトノサマガエルの由来は、威嚇をする時にお腹を膨らませるその姿が、偉そうに踏ん反り返った『殿様』を想像出来ることから由来しているのだとか。
ムシクイオオクサガエル
体長4〜8cmの大型なタンザニアの固有種であるムシクイオオクサガエル。
大きい瞳が可愛いらしく、ペットとして人気のカエルです。
CC BY-SA 3.0/Dawson
飼育の難易度は高く、飼うためには高いゲージし、温度管理や湿度を管理しないといけない上級者向けのカエルのようです。
CC BY-SA 2.0 de/Manuel Werner
ムシクイオオクサガエルの『むしくい』は、若い個体やオスの個体の体の模様が虫食いの様に見えることから由来したとされています。
外国では「ビックアイツリーフロッグ(大きな眼を持つカエル)」と呼ばれ親しまれています。
アメリカアマガエル
アメリカアマガエルは名前の通りアメリカに生息するカエル。
アメリカ合衆国の固有種。
CC BY-SA 2.0 de/Neutrality
ニホンアマガエルと見た目が似ていますが、本種の方が一回り大きく、体の側面に白い模様がはいっています。
CC BY-SA 3.0/Eumeldingens
人懐っこい性格をしているため、ペットの入門種として人気があります。
雨が降る前や、雨の最中に集団で鳴く出す事から『レインフロッグ』などとも呼ばれています。
キオビヤドクガエル
体長3〜4cmのヤドクガエル科のカエル。
黒色の体色に、不規則に黄色の横帯が入る派手な見た目です。
高温や乾燥に対する耐性が強い為、育てやすい初心者向きのカエルです。
CC BY 3.0/H. Krisp
派手な警告色をしているキオビヤドクガエルは毒を持ちますが、飼育個体ではその毒は無くなるとされています。
ですが、素手で触った後はすぐ手を洗った方が良いでしょう。
アイゾメヤドクガエル
ガイアナ、スリナム、フランスなどに生息するカエル。
体長5cm程でヤドクガエル属の中でも最大級の大きさを誇ります。
湿度を保つ事の出来る環境を作れば、飼育もそれほど難しくはないようです。
臆病な性格を持っているので、物陰などに隠れてしまうので、鑑賞などには不向きです。
CC BY 3.0/Pogrebnoj-Alexandroff
体は黒色に黄色の模様が入り、四肢は藍色である事からその名が付いたとされていますが、生息している環境によって体色は変異するようです。
青色に黄色のグラデーションの体色は見た目がかっこいいので、鑑賞目的でも人気のようです。
食用カエル
食用カエルは日本ではあまり馴染みがありませんが、中国などは割とポピュラーな食料です。
なんでもカエルの肉は鶏肉のような味がするのだとか。
ヨーロッパトノサマガエル
名前の通りヨーロッパ中部と東部、イギリス南部に生息するカエル。
体長は12cmと非常に大きいです。
カエルを食べる文化がある国ではポピュラーな食用ガエルで、フランス料理などにも用いられます。
年中鳴いていますが、特に春と夏は集団で大合唱をするようです。
ウシガエル
体長11cm〜18cmの非常に大型なアカガエル科のカエル。
アメリカ合衆国の東部から中部、メキシコ北東部、カナダ南東部に自然分布しています。
食用ガエルとして非常に有用で、世界中で養殖されています。
またウシガエルは環境適応能力が高く、非常に貪欲な食性で共食いもするとのだとか。
その為現在では、在来種の存続を脅かす種として、国際自然保護連合の世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれています。
日本生態学会でも日本の侵略的外来種ワースト100に選ばれており、2005年には特定外来生物に指定されています。
鳴き声がとても大きく、数キロメートル先でも聞こえる事がある為、騒音問題として取り上げられる事もあります。
ちなみに『ウシ』は鳴き声が『ブオーブオー』と牛の鳴き声のように聞こえる事から由来のだとか。
ヌマガエル
ヌマガエルは中国、台湾などに自然分布。日本では本州中部以西、沖縄、奄美大島などに分布します。
主に水田や川、池などの湿地で生息し、あまり水辺から離れて生活することはありません。
CC BY 2.0・LiCheng Shih
体長は3センチ~5センチほど。
背中に白い線が1本入っているのが特徴的ですが、地域によっては白い線が入っていない個体も存在します。
特に九州地方では、白い線が入っている個体が多いため、方言で『センビキカエル【線引きカエル】』とも呼ばれます。
CC BY-SA 4.0/NOZO
ヌマガエルは中国、インドネシアなどで食用のカエルとして知られています。
ナンベイウシガエル
オスよりメスの方が体長が大きく、12cm〜大きい個体では20cmを超えると言われている世界最大級のカエル。
名前の通り南米のエクアドルやコロンビア、ペルーやボリビアなどに生息します。
現地では別名『マウンテン・チキン・フロッグ』と呼ばれ食用カエルとして知られています。
日本にも輸入されており、鳥羽水族館が日本で初めてナンベイウシガエルの繁殖に成功しています。
ナミエガエル
ナミエガエルは体長8〜11cmのカエルで、沖縄北部のみに生息するとされる日本の固有種。
山に流れる渓流やその付近を好み生息しています。
CC BY-SA 4.0/Nippon510
その昔沖縄ではナミエガエルを食用、薬用として用いられていました。
ですが、現在では開発による生息地の減少により、沖縄県の天然記念物に指定され、2016年には国内希少野生動植物種に指定されています。
ニホンアカガエル
ニホンアカガエルは日本の固有種で、本州から九州、伊豆諸島に生息しています。
CC BY-SA 3.0/Σ64
ニホンアカガエルは、ほかのカエルより産卵をする時期が早く、時には12月からでも産卵するのだとか。
基本的には単独で行動している為、ニホンアカガエルの大合唱は、あまり聞く機会がありません。
カラフルなカエル
世界には様々な見た目をしたカエルが存在しています。
毒を知らせる警告色を持つカエルや、カエルのイメージ色とは程遠い色を持つものも。
一部ですが見ていきましょう。
キンイロアデガエル
全身が黄色の体色で、日中活動する時にオレンジ色に姿を変えるキンイロアデガエル。
マダガスカルの森林地帯に分布するマダガスカルの固有種です。
大きさは2cm〜3cmと小さく、見た目も可愛いカエルです。
そのカラフルな体色と小さい見た目が可愛らしく、体色が黄色からオレンジへと変化する面白い特徴があるためか、ペットとしても人気があるカエルです。
イシカワガエル
名前は『イシカワ』ガエルと、石川県にいそうなカエルですが、日本の奄美大島と沖縄県北部にしか生息していないちょっと変わった名前のカエルです。
日本で最も美しいカエルの一つだと言われているカエルで、日本にしか生息していません。
CC BY-SA 3.0/Rana ishikawae
現在は、開発による生息地の減少により沖縄県、鹿児島県では天然記念物に指定され、環境省の絶滅危惧種にも指定されています。
ちなみに名前の『イシカワ』は生息地ではなく、発見者の『石川千代松博士』にちなんで由来されたようです。
ミツヅノコノハガエル
カラフルなカエルとは少し違うミツヅノコノハガエル。
コノハガエルの名前の通り、全身が茶色で所々黒くなっていて、見た目は落ち葉の様です。
質感も落ち葉の様で、擬態すると中々見分けがつかないレベルだとか。
CC BY-SA 3.0/Olei
別名を『ナスタコノハガエル』と呼ばれ、落ち葉の茶色の他にも、灰色や赤褐色、黄褐色に変異する個体もいる様です。
その特徴的な見た目から、TVなどのメディアでも取り上げられることも多く、ペットとしても人気があります。
マダラヤドクガエル
マダラヤドクガエルはコスタリカやコロンビア、パナマなどに自然生息するカエル。
アメリカのオアフ島には蚊を駆除する目的で人為的に移入されています。
名前の通り光沢のある黒い体色にマダラに入る見た目が特徴的なカエル。
地域により体色が違ったりもします。
黄色いマダラヤドクガエルや
青色のマダラヤドクガエルなんかも存在しています。