雨や朝露などで濡れると花びらが透明になる『サンカヨウ』をご存知ですか?
濡れて透明になった花は、とても綺麗でガラス細工のようだと例えられる美しい花です。
今回は美しい花サンカヨウの花言葉と透明になる花びらの謎を紹介します。
サンカヨウとは
サンカヨウ(山荷葉)はメギ科サンカヨウ属に分類される多年草。
サンカヨウの主な生息地は外国ではロシアのサハリン、日本では本州中部より北に分布し、北海道にも自生しています。
生息地はいずれも山地、亜高山や深山の林の中などの湿った場所に生えていることが多い。
サンカヨウは山野草である為日光、気温の暑さにとても弱く、日にあたりすぎると枯れてしまうため直射日光があまり当たらない樹木の下など、夏でもあまり気温が上がらない場所に自生する事が多いです。
日本でも見ることの出来るサンカヨウは主に、5月から7月にかけて花を咲かせます。
サンカヨウの花は散りやすいため、咲いても3日から1週間ほどで花びらが散ってしまいます。
開花期間こそ短くないものの、散るまでの期間がとても早く、山の中でしか自生しないので、見る事が難しいようです。
サンカヨウの特徴
サンカヨウは高さ30cm〜70cmぐらいまで成長し、茎の先に花が3〜15輪程度まとまってつく。
花は白く綺麗な花びらが6枚、花の中央付近には黄色の雄しべと黄緑色の雌しべがあり、白い花びらと相まって彩りがとても綺麗です。
また、花は大きいものでも直径2cm程にしかならず、小さい花がまとまって咲きます。
画像:E-190
サンカヨウの葉はフキの葉のような形でギザギザしており、茎の先にこの葉を大小2枚つけます。
大きい葉には花がつかず、小さい葉のみに花がつきます。
見ようによっては葉の上に花が咲いているようにも見えてしまいますね。
花の後に青紫色の実をつけ、表面に白い粉を纏っています。
実は食用として食べることも出来るようで、熟すと甘いらしい…
画像:E-190
サンカヨウの名前の由来
サンカヨウは漢字で書くと『山荷葉』。
サンカヨウの葉は『蓮の葉』に似ており、蓮の葉を『荷葉』と呼ぶ事から山に生える荷葉で、山荷葉(サンカヨウ)になったとされています。
また、サンカヨウは濡れると透明になる花の見た目から、別名『スケルトンフラワー』と呼ばれる事もあるようです。
サンカヨウの花言葉
サンカヨウの花言葉は4つ『清楚な人』、『親愛の情』、『幸せ』、『自由奔放』です。
清楚な人、親愛の情は白く綺麗な花を咲かせるサンカヨウのイメージに合った花言葉ですが、自由奔放はイマイチで、イメージとはかけ離れている感じがしますね。
透明になるサンカヨウの花びらの謎
濡れると透明になり、ガラス細工の花かと思うほど綺麗になるサンカヨウの花びらですが、透明になる理由については諸説あるようです。
その中でも一番有力とされている説は、光を錯乱せず吸収してしまうからという説です。
ですがサンカヨウはただ濡れるだけでは透明になる事はなく、長時間シトシトと弱い雨に当たり続ける事で透明になります。
朝露でも透明になるようですが、いずれにせよ『長時間』濡れ続ける事が必要なためこの説は違うような気もします。
残念なことに、サンカヨウの花びらが透明になる仕組みについては、専門家でさえ詳しい理由は未だにわかっていないのが現状のようです。
花びらが乾いていくと、元の白色の花びらに戻っていくので水が関係する事は間違いなさそうですね。
まとめ
透明になる神秘的なサンカヨウの花。
花びらが透けるとロマンチックな見た目、透けていなくても可愛らしい見た目の花ですね。
野生下で見る事は難しいようですが、栽培する事は不可能ではないので、興味がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。