世界最大の臭い花はショクダイオオコンニャクではなくラフレシア!?

世界には色々な匂いの植物、花がたくさん存在し、大きさも大小さまざまです。

『ショクダイオオコンニャク』は、たくさんある花のなかで世界最大だと言われています。
ですが、調べていくと世界最大の花は『ラフレシア』だと言う方もいました。

世界最大の花は2つはないはず…
今回は『ショクダイオオコンニャク』と『ラフレシア』、世界最大の花が二つある理由を紹介します。

ショクダイオオコンニャクとは

ショクダイオオコンニャクはサトイモ科・コンニャク属の植物。
インドネシア、スマトラ島に自生する為、『スマトラオオコンニャク』の別名を持っています。
悲しい事にショクダイオオコンニャクには花言葉はありません。

ショクダイオオコンニャクの花

世界最大と言われているだけあってでかい!
縦に伸びている肉穂花序は約3.5mまで伸びた記録もあり、花序と仏炎苞の複合体は、直径約1.5m程にもなるといいます。

ショクダイオオコンニャクの花は臭い

ショクダイオオコンニャクは大きさもさることながら、実はもう一つの特徴を持っています。

それは、強烈な臭い。
まず、ショクダイオオコンニャクは約7年に一度しか花を開かず、臭いも放ちません。
花ビラのように見える仏炎苞が開き、開花すると高く伸びた花序付属体が熱を帯び異臭を放ち始めます。開花後から約8時間後に臭いが最高潮に達します。
その匂いは『肉が腐った臭い』、『動物の死体臭』と例えられる事もある臭いだとか。

しかも開花から2日程度で枯れてしまうといった特徴を持っていますので、ショクダイオオコンニャクの臭いを嗅げた方はラッキーです!

ショクダイオオコンニャク全体

ショクダイオオコンニャクは意味も無く悪臭を放っているわけではありません。
強烈な悪臭に釣られて周囲の甲虫が群がってきます。
大きな花ビラのように見える仏炎苞に着地すると、中はツルツルと滑りやすくなっていて、花粉を付けた甲虫を閉じ込め、受粉します。

ちなみ、ショクダイオオコンニャクの名前は花の形が『燭台』に似ている事から付けられたと言われています。
またその見た目と、放つ悪臭から『世界一醜い花』、『死体花』とも呼ばれています。

ラフレシアとは

ラフレシアはラフレシア科ラフレシア属の総称。
全部で十数種ありますが、日本でラフレシアと言えば『ラフレシア・アルノルディイ』の事を指します。
主に東南アジアやマレー半島に分布しています。

ラフレシアの花画像:Steve Cornish

花ビラを含む直径は、約90cm程にもなり、とても大きい!
赤く、白い斑点がある花ビラは特徴的で肉厚。面白い事に、質感は発泡スチロールの様だと例えられ、踏むとパキパキ音を立てます。

また、ラフレシアは『全寄生植物』と呼ばれる植物で、ほかのブドウ科の植物などの根に寄生し、花を咲かせます。そのため根、茎、葉を持たず、地面に花がぽつんと咲いています。

ラフレシアアルノルディイの花画像:Rendra Regen Rais

大きく目立つ色のラフレシアですが、大きさの割には中々見つからないそう…
それもそのはず、ラフレシアの寿命は約2年、ですがその間ずっと花が咲いているわけではありません。2年のほとんどを花の成長に使い、開花してからは約3日程で枯れると言われています。

そんなラフレシアの花言葉は『夢現』(ゆめうつつ)。
夢現は、『夢か現実か区別が付かない』という意味を持ちます。

ラフレシアの花は臭い

ラフレシアもショクダイオオコンニャクと同様、悪臭を放ち動物などの死骸に群がるハエなどをおびき寄せます。
その臭いは『死肉の腐敗臭』、『汲み取り便所』の臭いなどと例えられています。

ラフレシアは悪臭で送粉者を呼び寄せ受粉します。ですが研究が進むまでは、奇妙な見た目と、悪臭で昆虫が群がる様子から、昆虫などを食べる『食虫植物』だと思われていたこともある様です。

世界最大の花は…⁈

世界最大の花としてギネス認定されているのは『ショクダイオオコンニャク』です。
ですが、記録になっている、ショクダイオオコンニャクの花は花序(花が密接して並んでいる様子)と、付属体、仏炎苞の複合体の大きさであり、花単体ではラフレシアの花とは比べ物にならないくらい小さいのだそう…

一方で、ラフレシア(ラフレシア・アルノルディイ)は、単体の花の大きさで直径が約90cmあり、花単体だと世界最大の花を持ちます。

二つの世界最大の花

世界最大の花が二つある理由は、花単体とするか、花序、付属体などを含め『花』とするかの違いのようですね。

ショクダイオオコンニャクは仏炎苞が花ビラの様に見えるので、大きい花に見えますが『一つの花』と言う意味での世界最大の花はラフレシアでした。